技術者との打ち合わせ時の注意(その2)

色々な場面で、「技術者」と話す機会は多いかと思います。

それぞれの分野での特定の知識や技術を持った「技術者」と呼ばれる人々との打ち合わせや話をする上で、技術者ではない人が注意しておくべきことがあります。

「専門の知識や技術を持っている人は、プライドも高いことが多い」

ということです。これは特に問題があるわけではなく、むしろ技術者ならば多かれ少なかれ持っておくべきものだとITコンシェルジュは考えています。

もちろん、自分自身のプライドを表に出す人、出さない人がいますので、分かりにくいかと思いますが、基本的に「技術」を身に着けるということを考えると、その人なりの努力や時間がかかっているであろうとは想像しやすいかと思います。

そんな「技術」に対して自身も自負もまったくもっていない人がいるとすれば、その人は「技術者」には向いていないのではないでしょうか。

また、苦労して身に着けた「技術」を生活の糧にしていますので、ついつい身に着けたものがそのままでてしまう、つまり「分かり辛い話」が多くなりがちなのも少なくないかと思います。

あと、「技術者」はどちらかというと裏方な職種が多いため、人に褒められたり喜ばれたりといったことに敏感です。つまり、自分自身の身に着けた「技術」を認めてもらうことに意義を感じると言い換えてもよいでしょう。

一般の人から見ると付き合い辛いと感じるかもしれませんが、「技術者」のツボさえ押さえておけば意外とトラブルを避けられるものです。

例えば、自分が技術者にある機能を持ったプログラムを制作依頼したとしましょう。何度か打ち合わせはしたものの、技術者からあがってきたプログラムは自分がイメージしていた機能を持つプログラムとは異なっていたということも実は珍しくないのです。

ではなぜこのようなことになるかというと、

①技術者は話下手

②依頼者と技術者の間でうまく伝達が行われなかった

③上記の理由を踏まえ、技術者が独自の判断でプログラムを制作した

といったことが考えられます。

③が原因だった場合、これは技術者の善意が欠点として浮き彫りになっただけで本当の意味での失敗ではないのですが、結果しか見ない依頼者の場合、その提出されたプログラムだけを見て、制作者を激しく非難することもあるかと思います。

ですが、ITコンシェルジュに言わせれば、その非難は間違いであるといわざるを得ません。

意思疎通や伝達のミスならばそれはお互いに原因はあるでしょうし、何より、技術者は自分の持てる知識と経験を活かし、その上時間をかけてプログラムを完成させているのであり、たとえそのプログラムのイメージが依頼者のイメージと異なっているとしても頭ごなしに否定や避難をすれば技術者が投げ出したとしても不思議ではないと思うのです。

技術者の技術とはまさに血と汗との結晶であり、時間をかけて制作したものは必ず評価すべき点があるはずです。

まずはその点について認め、褒めてください。その上で自分自身のイメージと異なる点を修正してもらうよう依頼すれば技術者とのトラブルはぐっと減ると思います。

一番トラブルを少なるするには、依頼者と技術者の間にITコンシェルジュのようなSE経験のある人間を挟むことです。費用という面では多少増えるでしょうが、開発案件だと大きなトラブルを抱え込む前に多少の費用をかけた方がより良い結果につながるはずです。

どうしても「技術者」と話をすると喧嘩になるとか、トラブルになりやすいと思う点がある人は、一度「相手の立場に立ってみる」ことをお勧めします。

一度信頼関係を構築した技術者ほど頼りになり、付き合いやすい人種も珍しいと思うので・・・

技術者との打ち合わせ時の注意(その1)

ここで言う「技術者」とは、プログラマーやSEだけではなく、IT系営業職や売り場での店員も含めた、所謂「IT関連に携わることを職業としている人」だと考えて下さい。

企業や個人に関わらず、技術者と話す機会は意外と多いのではないでしょうか。

「技術者」と話したとき、「自分の考えが伝わっていない」ような気がしたことはありませんか?

ITコンシェルジュは10年以上、顧客や「技術者」との間に立った立場を経験していますので、仕事の依頼者である「顧客」立場の人と依頼を形にする「技術者」立場の人との間に生じやすい「すれ違い」について理解しているつもりです。

今回は依頼者の立場に立ったときの注意事項についてです。

「技術者」の発言は「専門用語が並び、理解し辛い」ことがあります。

また、依頼者の要望を素にして形にしたはずなのに、成果物(形がある内に関わらず)を見たときに、依頼者が「しっくりこない」ことがあります。

こういった問題の多くは、

・依頼者側が「分からない」「恥ずかしい」という気持ちから技術者に遠慮してしまい、十分な打ち合わせができていない。

・技術者が依頼者のITスキルを自分自身と同レベルと勘違いしている。(無意識の場合もある)

・技術者が依頼者にとって「良かれ」と思い、打ち合わせ時に無い内容まで形にしてしまった。(経験豊富な「技術者」ほど陥りやすい)

などが考えられます。

つまり、「コミュニケーション(能力)不足」が原因の場合が殆どです。

今まで話したことも無い人間同士が一つの形を作ろうとするのですから、どんなに気を配ったつもりでも、100%お互いが納得した成果物が出来上がることは希なことかもしれません。

依頼者も技術者も「お互いのことを理解しようとする」気持ちを忘れたとき、「すれ違い」が大きな問題に発展するのでは無いでしょうか。

自分自身が「依頼者」の立場の場合、まずは自分自身が納得できるまで「伝える努力をする」「質問する」姿勢が大切です。(もっともこれは「技術者」の立場でも大切なことです。)

時間のとれる限り、「話し合う」ことが結果的に良い成果物に繋がるのです。

不安や恥を感じる心を意識しても、その気持ちを棚上げし、「自分の考えを理解してもらう」ことに集中しましょう。

今回は依頼者の立場の時での注意事項をまとめてみました。

次回は「技術者心理(トラブルが起きた場合の対処例)」についてまとめてみたいと思います。