まずは起動についてですが、電源OFFからの立ち上がりは思ったよりもスムーズです。
正確に計ったわけではありませんが、Windows7環境よりも若干早いです。
元々、Windows8は起動時のデバイスドライバ等の読み込みを見直しているようですので、そのためでしょう。
ログイン画面についてはWindows8の場合、大きく分けるとローカルアカウントでの起動とMicrosoftアカウントでの起動に分かれるのですが、今回確認したのはMicrosoftアカウントでの起動です。
Microsoftアカウントで起動するためには、予めインターネットに接続できる環境下でないといけない条件がありますが、反面、Windows8のウリでもある「Microsoftサービスとの連携」を確認する意味でも今回はこちらを選択しています。
ログインするとまず現れるのが、Windows8最大のウリでもある「Metro」が表示される。従来のスタートメニューに当たるのだが、なれるのに多少の時間が掛かるかもしれない。
パソコンはその汎用性にもっとも利用価値があると思うのですが、本当の意味で「なんでも」実行させるにはハードウェアの性能が比較的高くないとままなりません。
今回のICONIA W500は決してハードウェアの性能が高いとは言えない構成ですが、利用場面をしっかり把握すれば問題ないかと思います。
今回、ITコンシェルジュがW500に求めているのは、
・電源OFFから起動までにストレスがないこと
・ブラウジング、メール、簡単な文書作成等のもっとも自分自身が利用するであろうアプリケーションがそこそこ快適に利用できること
・利用が終わり電源OFFまでのストレスがないこと
を目的として考えていたのですが、思った以上に快適だと感じました。
ICONIA W500はWindows8の全ての機能を利用することは出来ません(ハードウェア要件に「1366 × 768 の画面解像度」というのがあるのですがこれを満たしていない)が、かといって全く利用できない訳でもありません。
アプリケーションを起動するために横へのフリック操作をしてみても想像以上にスムーズにスクロールしてくれます。
試しにブラウザを起動してみましたが、表示されるまでの時間もITコンシェルジュのデスクトップマシンと比較してもそれほど遅くもない、というよりも、予想よりはるかに早い動きを見せてくれます。
アップグレード後それほど操作を体験した訳ではありませんが、Windows8のOSとしての完成度の高さを感じさせてくれました。
ドライバもWindows7用のドライバがかなり流用できるようですし、動作も軽快と言えるレベルだと思いますし、利用状況が許すならWindows8をメインに利用しても良いかもしれません。
少なくともメインメモリが2GB以上搭載されているマシンならWindows VISTAを利用するより、アップグレードしてWindows8を利用することを考えた方が良いと思います。(操作感がWindows7までとはかなり異なるため、覚悟が必要かもしれませんが)
ITコンシェルジュとしては非常に満足行く結果となりましたが、問題点がない訳でもありません。
デスクトップマシンやノートパソコンとしてならWindows7の頃に利用していたアプリケーションがWindows8環境下でも利用できる可能性はかなりあるのですが、反面、タブレットとしてはWindows7世代のアプリケーションは使い勝手が悪いと思っています。
かといってWindows8は先日でたばかりの新しいOSのため、Windows8に完全対応したアプリケーション(従来のようにマウスとキーボードで利用するならそれ程問題は無い)が殆ど無いといった事情もあります。
そのような観点から言うと、iOSやAndroidを搭載したタブレット端末に比べると本当の意味で使えるアプリケーションの絶対数は少ないと言わざるを得ないでしょう。
また、Windows8ではタブレット用として通常のパソコン用OSの他、WindowsRTという見た目がそっくりだけど、アプリケーションの互換がないモデルが存在し、消費者には混乱する要因となると思われます。
あとはやはり価格の問題でしょうか。Windows8が搭載されているタブレットは現状で8~12万円前後、WindowsRT搭載タブレットで7万円前後とiPadやAndroidタブレットに比べると割高感は否定できません。
もっともWindowsパソコンを利用している人にとっては互換性という意味では圧倒的にWindowsタブレットに軍配が上がると思いますので、利用場面にも左右されるとは思います。
さらに忘れてならないのが、バッテリーのもちでしょうか。
モバイルが前提となるタブレットなだけにバッテリー時間が短いのはかなりの短所でしょう。現状では7~10インチタブレットで8時間前後、Windows8タブレットで4時間前後のようですので、こちらも利用条件に左右される項目だと考えます。
選択肢が増えることは決して悪いことでありませんが、反面、一般の方にとっては「分かり辛い」に繋がりやすいのは間違いないでしょう。
現在は、デスクトップパソコンやノートパソコンを購入するのではなく、タブレットだけを購入するといった方も増えているようですので、購入の際には事前に良く検討することが大切です。
迷ったときは、ITコンシェルジュのような「より知っている」「よく調べている」人間に聞いてから判断しましょう。